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2007年5月31日 (木)

ゴッホと田中一村

ゴッホの「糸杉と星の道」は私の心の恋人と言ってはばからないのですが、とある美術館でまた違った意味で衝撃的な作品に出会いました。

画家の名は田中一村、作品は「奄美の杜1」〜ビロウ・コンロンカに蝶〜

最晩年の大作の中で唯一本物の展示だった為、オーラが違ったような気がします。他の作品も素晴らしいのですが、込められいる念が複製画故に薄まっていたようにも思えます。作品保護や諸事情のためやむをえないのですが残念でした。

一村のことを全く知らなかったのですが、何故かどうしても見なければならない気がして、足を運びました。でも野生の勘は間違っていなかった!!

一度気になり始めるといてもたってもいられなくなるのが私の性分で、もう一度会いたくて、最終日の閉館間際に時間の許す限り眺め、別れを惜しんできました。

一度目は彼の貧窮をものともせず、ひたすらに絵に没入する激しさと、絵を描くために勤勉に働いてはお金を貯めてまた描く、というある意味現実的な冷静さも持ち合わせる、そんな一村の生きざまが滲み出ている作品の数々に激しく心を揺さぶられ、涙がとまりませんでした。

二度目は作品の持つ純粋な美しさと二度と会えないかもしれないせつなさとで、涙が止まりませんでした。

ゴッホの絵は、常に精神の脆く、不安定な私がこの世に存在することを受け入れてくれました。しかし、一村はそんな私に喝を入れてくれた気がします。

逆境に臆することなく進む勇気、覚悟…そして新たなる不安がとめどなく溢れだしました。

心に深く刻み込まれた出会いです。

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